海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

「そうだなぁ。休みの間、悪さするんじゃないぞ。」


相葉先生は今までの中で一番先生らしい事を言い、


私は、


「しませんよー。」


と、軽く頬を膨らませて怒ったふりをした。



相葉先生も『そんな事をしないだろう』と分かっていながら、わざと言ってるのだと思う。



「あぁ、悪い!俺、これから職員会議なんだ。」


相葉先生はそう言うと、少し前までまとめていたらしい書類を慌てて手に取った。



「ごめんなさい!」


私も慌てて側に置いていたカバンを持った。



相葉先生と一緒にパソコン教室の準備室を出て、そのまま並んで職員室と下駄箱に向かって歩き出す。


相葉先生の手には、書類とプレゼント。



『プレゼントなんて持ってたら、周りから何か言われたりするのかな…。』

そんな事が頭を過ぎったけれど、


『袋で包まれているから大丈夫かも。』

と思い直して、私は敢えて訊ねようとしなかった。



「じゃあ、帰り気をつけてな。コレありがとう。」

そう言って、プレゼントを私の方に向けて傾けた。



「いえいえ全然!先生また明日ね。さようなら。」

「さようなら。」


相葉先生は笑顔を浮かべたままで答えると、そのまま職員室の中へと消えていった。


それを肩越しに見ながら、私も下駄箱に向かった。


明日は終了式。


相葉先生に会えなくなる寂しさも、就職の不安も抱えたまま、


私は長い休みを迎えようとしていた―…