海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

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相葉先生へのプレゼントを用意してから、誕生日当日を待っている間の時間は、


心待ちでありながら、楽しみではないような、とても複雑な気持ちで過ごした時間になっていた。


『どうやって渡そうか。』


いつものようにその事を考えると、確実に相葉先生の誕生日に渡せるチャンスがあるという保障はなかったから、


『違う日だったとしても、タイミングを見て渡すしかないかな。』

と、思っていた。




私がそんな予定を立てている間も、相葉先生の授業はいつも通りに進んでいく。


私たちの関係は、いつも通りの教師と生徒。


そうやって過ぎていく日々は、今までとなんら変わりないようにも思えるけれど、


実際は少しずつ変化している事を感じていた。



今までのように、時々電話をしても長く話す事がなくなっていたからだ。



「忙しいからあまり話せないんだ。」



相葉先生がそう言って、早く会話を終わらせようとする事が増えていた。


そんな相葉先生の様子で、先生が私と距離を置こうとしているような感じがした。


現実逃避だけれど、それは“気のせいだ”と思いたかった。


そう思えたら、どんなに楽だっただろう。


相葉先生とのお別れの時期が近付いているのに、私達の距離がどんどん開いていく、その寂しさを感じなくて済んだのかもしれない。