海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜

真剣に選んでいる最中に、ふと瑞穂と梢を見てみると、


「これにしたらー?」

と、キャラクターもののネクタイを指差して笑っている。



「可愛いけど、相葉先生が見たらビックリしちゃうよ!全然先生の好みっぽくないじゃん。」

そう言って、私は二人の悪ノリに笑った。



ややしばらくネクタイコーナーを見ていて、私が選んだものは二つ。


暗めのブルーのネクタイと、モノトーンのネクタイ。


どっちかと言うと、モードっぽくてオシャレな感じがするのはモノトーンの方だった。


だけど、私は先生のお部屋がブルー系だった事がどうにも引っかかっていて、なかなか決められずにいたのだ。




『相葉先生はブルーが好きなのかな…。』


そんな考えが、何度も頭の中を過ぎった。




「このブルーって、先生がよく着ているようなスーツに合うと思う?」

私は何度も瑞穂と梢に確認した。



その度に二人とも、


「大丈夫だと思うよ。」


という返事を、繰り返している。




何回目かの二人の“大丈夫だよ”を聞いた後、


「じゃあ、これにする!」


そう言って、私はレジに向かった。



専用の箱に入れて綺麗にラッピングもしてもらい、


「ありがとうございました。」


という店員さんの挨拶に会釈をして、ウキウキしながら売場を出た。




準備が整い、後は渡すだけだったけれど、


相葉先生の誕生日が来るという事は、またしばらく会えなくなる時期が迫っている事も意味していた。



“冬休み”


それは避けては通れない、学校のシステム。


長い休みに入る時、必ず私は憂鬱になった。


だけど今回はいつも以上に憂鬱になっていた。


きっと年が明けたら、あっという間に卒業式が来てしまう。


その日が来たら、冬休み以上に相葉先生に会えなくなってしまうから。


だから決して叶わなかったとしても、


相葉先生に会える日が1日でも多くある事を、願わずにはいられなかったんだ。