*山岸浩子*

私は、そのまま校長室から教室へと向った。

私の生徒がいる2年1組へと。

教室に入ると、さっきまで騒いでいた生徒達が静かになり席に着き始め私を軽蔑した目でみてきた。

きっと、あの記事のことを知っているのだろう。

そして、ただ独りだけ何故か微笑んでいる生徒が居た。

それは、石垣光だった。

私は、彼を横目で見てその後すぐに前を見て話し始めた。

「おはようございます、長い間居なくて盟枠かけてスミマセンでした。では、HRをはじめます」

そういって、私はある一枚のプリントを黒板にはった。

それは、雑誌記事を印刷したものだ。

「みなさんは、多分知っているでしょう。この記事を。この記事は、事実と嘘が書かれています」

私はそう宣言すると教室内はざわついた。

しかし、光だけは私の目をジッと見て何故か勝ち誇ったような顔をっしていた。

「私は、【盗撮教師日記】をやっています。そして、あなた達の家のどこかに必ず隠しカメラが存在します」

そういうと、また教室内がざわつき生徒達が口々にこういった。

「最低」

「変態じゃん」

「つか、教師としてありえない」

「っま、山岸のやるようなことは所詮こういうことなんだよ」

この言葉を聴くと、少しだけ胸が痛む。

「さまざまな意見があるかもしれないけれど、一応カメラは私に最後返してください。では、HR終わりです」

そういうと、教室から出て行った。

この感情は初めてだった。