杏がいないこの室内は何だか別の空間みたいだ…。

「何?凱人、たった一時間杏がいないだけで息が苦しいの?」

「何だよそれ?あいつはそんなんじゃねーよ。ただ静かだなって思っただけだよ…。」

居たら居たで、圭と騒いでウザイ奴なのに、
居ないと調子狂うとか あいつ何だよ?俺 杏が居ないと全然駄目みたいじゃないか…バカな…。

「凱人、あなた最後女がいたのはいつ?」

「突然 何?今関係ないだろ?」

「気になったから 知りたいの…」

「彼女は2年位はいない。」

「彼女ね…女は別でしょ?」

「お前に俺のプライベート話すの嫌なんだよ…聞くなよな…。」

「今はどうしてるの?」

「そんな暇ないだろ?俺 自分と杏の世話で目一杯忙しいし…もぅいいだろ?」

「ふ~ん。彼女も女も 杏が居れば必要ないんだ?」

「は?圭…杏は女として見れないから関係ない。」

「そうね、だからこそ一緒に同居出来るのよね~。つまんないわね。凱人そろそろ仕事しましょ…お喋りは駄目よ。」

「はいはい、気紛れなお姉さんの頭の中は さっぱり理解不能だ…。」

杏の考えてる事も中々難しい。だけどあいつが一緒だと笑えるのは不思議なんだよな…とふと思った俺はちょっとおかしいのかも知れない…。