* KING *

「以上、これでCOLORの新ブランドのプレゼンを終わります。尚 商品は来秋からの展開スタートです。」

パチパチ、上層部の受けは 中々良いのでは?と思う。

「君 安藤君は中々COLORのブランドにピッタリじゃないか。百瀬君流石だな。よく見つけたね。」

「はい一目見た時から この安藤は何か特別な光を持っている様に見えたんです。それが…まさかの私の考えてた世界と合致。私にとってはラッキーでした。」

えっと…一目見た時って あの「おい、お前邪魔。」って言われた時の事?って 思わず突っ込みそうになり、慌てて自分を止める。あれ?話が噛み合わないけどな…。

とにもかくにも、プレゼンは成功し 今は会議室を片付けている。

「百瀬、安ちゃんお疲れ様。どうなるかとヒヤヒヤしたけど、安ちゃんやっぱやるねぇ…俺ドキドキしたわ…」

「瑞木ウザイ、早くこれ戻しといて…」

「ちぇっ。直ぐに二人きりになりたがるんだから…」

「ほら行けよ。杏も着替えて来い…あっ、それと今日は打ち上げするから、そのつもりでな!」

「了解!安ちゃん、夜盛り上がろうな。」

ニコニコしながら瑞木さんは会議室を出ていく。

私も着替えるために出ようとしたら

「杏、お疲れ。今日はまあまあだった。よく頑張ったと思う。」

「先輩、お疲れ様です。私のアドリブまあまあ良かったでしょ?人にもらったものは きっちり返す性分なもんで…」

「ばかが…人前でするか?普通…」

「///え~おかしいなぁ。話が違うんですよね。圭さん曰く 先輩はキスは挨拶だって言ってたので。」

「あいつ…挨拶なわけあるか…」

「///え?じゃ何で?」

「さあ?知らない。したいからした…」

無自覚で翻弄させるとか どんだけ?先輩はやっぱり鬼で私を奈落(恋)の底にどっぷりと沈めるのが好きな様だ…深過ぎて這い上がれないじゃないか…やっぱ、人でなし。