あれから毎日遅くまで残って 色々な資料作成などをしている。

企画の仕事ではない仕事は 余り慣れなくて正直ストレスが溜まる。

だけど、圭さんがやたらと私に仕事を頼むせいで、愚痴さえも言えない状態だ。

…そんな圭さんが先輩と一緒に席を外し 随分と戻って来ていない気がする。

私はこっそり席を外し パターン室に息抜きに来た。

「柚ちゃん、私死んでる?顔生きてる?」

「アハハ…安ちゃんやっぱり面白い。ちゃんとキュートな安ちゃんだよ。どうしたの?」

「杏果やっぱりあの部屋 悪魔と鬼だっけ?キツいのか?天使の俺が優しく癒してやろうか?」

「流石、咲本さんウケる…天使じゃないけど…癒されたかも?」

クスクスと柚ちゃんと一緒になって笑っていた。

「杏果…お前の笑顔はやっぱ天使だよ…。カタログ見せてもらったけど、あれ反則だよな。ハート鷲掴み、ヤバい。俺お宝にしたいくらいだよ///」

「私も見た~///安ちゃんの表情、もう天使。可愛い過ぎて困る…私が男なら瞬殺だよ!」


うん、うんとパター室の人も頷いている?


「そんな///あのカタログ恥ずかしいので、本人目の前で言わないで下さい。」

「いやマジで、何で此処にいるのかと思っちゃうよ。杏果 充分モデルでもイケると思うよ。」


コンコン…パターン室に現れた圭さんに柚ちゃんがいち早く反応する。


「///きゃあ圭さん。」

「出たよ…杏果 悪魔が探しに来たね…。」


失礼極まりない事を言う咲本さん。


「杏 打ち合わせするから部屋に戻れ。鬼が探してたぞ。」

フフと笑いながら 私にわざと言う。

クールバージョンの圭さんに柚ちゃんが赤い顔で見ている。

「またね柚ちゃん。」

「うん///」

パターン室で少しだけ 気持ちが落ち着いたから、また頑張れそうだ。


部屋に入ると 先輩が丸テーブルの方に座って不機嫌に待っていた。


「杏 サボるなよ。何処に行ってたんだよ?」

「パターン室にいました。先輩と圭さんは何処に行ってたんですか?」


「ああ、上層部に話し合い。それで圭さっきの話OK出たのかよ?」


「中々頭の硬い人達はやり辛いわね。まぁ私に掛かればチョロいけどね。」


「で、いつから?」


「もう、せっかちね。私と一緒だから、2ヶ月後よ。」


「サンキュー、圭。」


「あら珍しい。凱人がお礼なんて。」


「…るさい///」


全く持って話が見えないんですけど?


「良かったわね。杏、また一緒よ!」


って何が?


「杏、俺と離れて生活するのは寂しいだろ?2ヶ月間だけ我慢しろよ。」

「アハハ…それ凱人が言う?」

「…るさい///」


あのあの?
私に理解出来る言葉でお願いします…

二人で盛り上がってる感じで 非常に私だけが アウェイな気がして仕方がない…

「さてと、やる事があり過ぎて困っちゃうわ。杏2ヶ月後は パリの生活が始まるわよ。楽しみでしょ?」


は?それ早く教えて…
ものすごく重要事項でしょ?
私の心の準備が一番追い付けない。

誰か、この人達をセーブするのを教えて!