昼から 広報の須藤さんから連絡があり、私は圭さんと先輩の三人でラックを押してエレベーターに乗り込んだ。


「杏、COLORの服が皆の前で初披露ね。あ~私ドキドキしちゃうわ!」


私より圭さんが おかしな事になってる?


「この会議室1が杏と蘭のフィッティングルームね。会議室2が凱人と竜野君ね。私は杏の方でスタンバイするわ。」

コンコン、ガチャ

「お疲れ様です蘭さん。」

「蘭~今日はよろしくね。うちの杏を苛めたりしないでね。」

「お疲れ、杏果ちゃんと兄さん、今日はよろしくね。」


プロのメイクの人は 前に予約の取れない店のYamatoさん。


「お疲れ様。君凱人が前に連れて来た子だよね?へぇ随分と短い間に垢抜けたんだね。」

「ちょっとYamato、あなたも杏と会った事あるんだ。凱人使える物は全部使うとか、かなり力が入ってるのね…フフ」

「Yamatoさん、今日も素敵にチェンジよろしくお願いします。」


「ああ任せて。凱人のラッピングのお手伝い出来る事、光栄だよ。まずは蘭から ここに座ろうか?」


一流のプロのメイクアップアーティストのYamatoさんが施すメイクに ため息しか出ない。


「ほら杏。あなたは着替えが先よ。初めての撮影 気合い入れましょ?」


衝立の後ろで着替える新作…私に一番似合う服。ぴったりと私の体にフィットするラインとデティール、そしてカラーリング…

静から動へ 息が吹き込まれる。


「きゃあ///杏、やっぱ素敵よ。あなたが一番キュートに見える服だわ。」


「本当に 天使みたいね…しかも杏果スタイル良すぎじゃない?フフ、後で触らせてね///」

「こら蘭ダメよ。杏はお手付きなんだから。煩いのがいるから、怖いわよ?」


「さて杏果ちゃん 俺が更に可愛くしちゃうから ここに座ろうか?」


Yamatoさんのメイクは超絶マジックだった。

私はかつてない程の 自分でもこれ誰?という程のメイクの仕上がりに上げまくりで…撮影現場である、別の会議室に向かうのであった。