「で 杏果が知りたい事って何?」

そんな妖しい目で私に話さなくてもいいのに、無駄にフェロモンたっぷりの死神に押され気味になる。

「聖人さんって 前は凄くクールな人って思ってたんです。だけど今回一緒に仕事をして全然違うなって!」

「ふ~ん惚れた?」

「はい。まさにそうです…」

「///えっマジ?」

「はいランチお待たせ~。まさか店で告白聞けるとは思わなかったな…」

絶妙なタイミングでマスターが登場するのに 少しびっくりする。

「///うざい…今大事なとこだから 早くあっちに行けよ!」

「はいはい、聖怖いから 俺は隠れて聞いてるし、気にしないでよ!ハハ…」

「///勘弁して…」

クスクス笑ってたら 死神に睨まれる。

「すごく仲がいいんですね。」

「ああマスターは従兄弟なんだ…だから昔から可愛がってもらっている。ってか、さっきの軽くスルーするつもり?」

「いえいえ全然、私は本気ですよ。でも…」

「でも、何?」

「恋愛感情ではなく、純粋に仕事をする姿に惚れたのです。あんなに正確かつスピーディーに出来る人を初めて見たもんですから…」

「///はぁ…何だよそれ?」

「えっと、私間違ってます?」

「俺的には納得しないな…なぁお前やっぱり…あいつがいいのか?」

///ドキッ。一瞬死神を見て やっぱり隠すのが無理だと思いコクンと頷く。

「へぇ 認めちゃうんだ…隠せよっ!」

「///はい、他の人には隠してますので、何ら問題全くないかと思います。」

「///あ~、やっぱ杏果がいい…なぁ推し変する気ない?」

推し変って…

「はい無理です。心の中で誰かを想うのは自由じゃないですか?」

「そうか、杏果の気持ちは封印なんだ…」

「だから この事は内密に…それと必要以上に私に絡まないで下さいよ。百瀬さん変に構ってくるから 後が大変なんで…」

「それも言われたら 俺へこむんだけど…」

「聖人さん 私の心を許す数少ないメンバー入り決定ですよ。中々の狭き門くぐり抜けましたから…聖人さんの心のメンバー入り出来る日を 私も待ってもいいですか?」

「はいは~い、これ店からのサービスね。何々?こんな可愛い娘のお願い事 聖は聞いてあげれないの?」

「///本当うざい…、」

「ごめんね。杏果ちゃん?聖はね 本とはシャイで可愛いやつなんだ。これからも仲良くしてやってね♪」

「はい、もちろんです。頼りにしてる大先輩ですから…」

「…だってよ、良かったな聖!」

「///早く帰りたい。」

「せっかくの食事 残さずに あとこのサービスのデザートもちゃんと頂いて帰りましょうね。昼からの華麗な仕事を聖人さんがするのを見たいですから!」

「///はぁ…参った。これからは 杏果の日常は俺じゃなく、俺の日常が杏果の物だよ…」

と小さい呟きは 杏果には聞こえなかったのである。