保健室の眠り姫



廉side


「話ってなぁに?」


やめろ。

その話し方。

上目遣い。

全てが無理だ。

そもそも、何でこいつと付き合ってんのやろ。
いつOKしたんやっけ…。

好きって言われて…今は好きじゃなくても良いから、試しに付き合おうってお願いされて…。

で?好きになった?
いや、なるはずないやん。

毎日教室来て、彼女アピールされて。
お弁当も毎日作って来て一緒に食べて。
俺に寄ってくる女、徹底的にいじめ抜いて。

こんな最低な奴、好きになんかなるはずない。


「俺と別れて欲しい」

「…え…なに、何でっ?私の事、好きじゃなかったの?」


そんなに自信あったんか。
彼女にとって、俺の口から出たものは予想外すぎる言葉だったのだろう。


「……俺、好きって言うた?」

「!!…何それ、意味分かんないっ…あれだけ一緒に…色んなこと…」


目を見開いた後、その目から流れる大粒の涙。
この光景も、何度目やろ。
俺は冷静に、頬に流れ続ける涙を見つめていた。


「ツラ貸せや」

「げっ…」


突然首に感じる衝撃。
どこのヤンキーかと思えば…お前かよ、…美麗。

俺の事ほっといてくれって言うたよな。

俺は…兄貴とは違うんや。