「そろそろ教室で授業受けてみたら?」

Sっ気満載の彼女は、男女ともに人気。
先生目当てにやって来る男子生徒もいるけど、


『さっさと教室に戻れ、仮病人』


気取らず飾らず、だけどめちゃくちゃ美人の先生。
それが生徒には人気らしい。


「それが出来てたら苦労しないって」


「始業式だし、クラスに馴染むチャンスだぞ」


馴染む…か。


「…私が学校中から何て呼ばれているのか、先生知らないの?」


眠り姫だぞ。
軽く幽霊的な存在なんだぞ。
体温計を挟みながら、軽く睨みを利かせてみるものの。


「眠り姫」


そんな私の行為も虚しく、何当たり前のこと言ってるんですか。
みたいな顔して答える先生。


「…36.5度」


珍しく平熱を示す体温計を渡す。
それを確認すると、

「とにかく、後で一旦教室行ってきなさい。また戻ってきて良いから」