同居人は国民的アイドル





たったそれだけなのに、いつの間にか体の震えは収まっていて。






不思議。




何か言葉をかけられたわけでもないのに、こんなにも安心するなんて。




落雷の後に停電という、私にとっては地獄のような状況なのにもう全く怖くない。




ひとりぼっちじゃない、と言われているような気がした。
























どのくらい時間が経っただろう。




数分だったような気もするし、数十分こうしていたような気もする。





停電したということを忘れたかのようにぼーっとしていると、




「…………あ」






ぱっと暗かったはずの部屋が息を吹き返したかのように明るくなった。




長い間電気がつかなかったせいで暗い部屋に慣れてしまったからか、いきなり明るくなったことに驚いて思わず目を瞑る。




それと同時に、そっと離れていく温もり。