早く明るくなれ。 電気ついて、早く。 頭の中で呪文のようにそう唱えながら、ぎゅっと固く目を瞑る。 すると。 震え続ける体が何かに包まれた。 それと同時に、爽やかな香りが鼻をくすぐる。 そう、それは……………… 私がつけているシャンプーと、同じ香り。 「廉くん…………?」 呼びかけに反応する声はない。 だけど、その代わりにぎゅっと抱きしめる力が強くなった気がした。 まるで、私の体の震えを抑えるように。 そして、大丈夫と言うように頭をポンポンと軽く叩かれる感触。