そういえば昔、帰り道に雷が鳴っていて翔大の前で大泣きしたことがあったな。
一人で家に帰れそうにない私を、翔大が手を繋いで家まで送ってくれた。
あの頃の翔大は、泣き虫で体の大きい子によくいじめられてたくせに、あの時だけはちょっとかっこよく見えた。
…………日が経つにつれてほんとにイケメンになっちゃったんだけどね。
「連絡しても反応ないし、本気で家まで行こうかと思ったわ」
連絡?
翔大の言葉に携帯を見てみると。
「わ、ほんとだ」
翔大から結構な量のLINEと着信が来てる。
…………あ、この時間廉くんの部屋にいた時だ。
だから気づかなかったんだ。
心配してくれたのは嬉しいけど、こんなに連絡くれなくても…………
私だってもう子供じゃないんだし。
そう思ったけど、わざわざ気にかけてくれたんだから、と思い直す。

