「うわーっ!ちょ、やめてよ!!」
こんなことするやつは一人しかいない。
頭に乗せられた手を振り払うと、案の定そこには悪戯が成功した子供みたいな表情の翔大の姿。
「も〜〜〜っ!!!やめてよ!!」
そういえば前にもこんなことあったような…………
まだ、髪の毛を綺麗にセットしてる時じゃなくてよかった。
そう思いつつも、ありったけの眼力を引き出して翔大を睨む。だけど…………
「ははっ!!全然怖くねーー!」
思いっきり睨んだ…………つもりだったけど逆に笑われてしまった。
「それで睨んでるつもりかよー」
「うるっさいなーー。
で、何の用?翔大」
未だに笑い続ける翔大を無視して、そう問いかける。
「んー、用っていうか。
お前さ、昨日雷大丈夫だった?」
え?
「里華のことだから、またギャーギャー騒いでんじゃないのかなって思って」
あ、そっか。
小さい頃からずっと一緒にいる翔大は、私が雷が苦手なことももちろん知ってるわけで。

