「…―――。」


一際うるさかったホールが、突然静かになり、誰しもが思う。

‘’来た‘’って。


ホールにいる大勢の人を、割って歩いてくるのは、誰しもが憧れる彼ら。

そして、私が好きな彼。

私がなりたいと願う‘’お姫様‘’


5人の騎士に守られる様に立つお姫様は、

端のカウンターから見ても分かるほど

美しく、

儚く、

輝いていた。


その隣に立つその人は、

高い身長

整った顔立ち

それにあった漆黒の短髪

その全てが、彼の存在を圧倒的に象徴していて。


その全てが、私を引きつける要因だった。