「? はい。」
 

 とりあえず迷の指示に従うことにした白山さん。蛍も一応それにならって開いたノートの上に寝そべった。
 

 「ん? なんだこれ。」
 
 寝そべると、ノートのちょうど自分から見えやすい位置にスマホのアイコンのようなものが書かれていた。


 
 「ふふふ、便利でしょ。それの中の、羽のマークのやつタッチして~」
  

 「はいさ」
 
 「わかりました」
 

 それぞれそのアイコンをタッチする。すると、
 

 「うおっ、」
 
 「……浮きましたね」
 

 ノートがふわりと浮き上がった。もちろん、迷たちを乗せた状態で、である。

 
 「じゃあ、行き先を入力してあげてね~」
 
 「ほいさ」

 
 羽アイコンをタッチしたあとには行き先入力欄が現れていた。そこに行き先を入力すると、勝手にそこまで飛んでくれるという代物だ。


 これは、迷が自分のために作ったものだから当然である。迷が自分で操縦しようとすると、必ずと言っていいくらいに迷子になるのである。悲しき事実である。
 

 「入れましたよ」
 


 「はーい、じゃあ、しゅっぱーつ!」
 
 こうして、魔女御一行も人間の国を目指すことになったのだった。