翌朝。王の間では、なんとも言えぬ重い空気が漂っていた。
 
「では、魔王が復活したと申すか。」
 

その中で沈痛な面差しで口を開いたのは国王だった。

それに対し、その報告を行った人間が訂正を加える。
 

「いえ~、復活ではなく代替わりです。
ただ、それがどんな奴か分からないというのと、魔王領が確実に豊かになっている、というだけですよ~。」
 

もちろん、魔女の迷だ。

のんびりと答えた迷に、大声で喚く男が一人。
 

「十分な脅威ではないか!!どうするつもりだ!!」
 

明らかに怒りだかなんだかよく分からない感情を爆発させている男。

それに対し、迷は特に気にした風もなく答えた。


いや、むしろ、待っていましたと言わんばかりに。
 


「手立ては考えてあります。 昨日魔王交替の知らせを受けてすぐに占ってみたんですよ~!」


きらきらと目を輝かして言う迷に、部屋中の人間の目が集中する。