一方人間の王城。

魔女仲間の蛍との通信がやっと終わった迷が、ふと時計を見れば、話を始めてから2時間も経っていたことに気づいた。
 

「やば。寝なきゃ。」

 
慌てて布団に潜り込みながら、迷は石川を魔王城に送る算段をつける。


王に連なる貴族の中で、石川の家はだいたい上から3番目あたり。

まあ、高いほうだ。

 
「とりあえず、予知とかで石川が勇者に選ばれたことにして……」

 
そこまで考えて、迷は眠りに落ちた。

布団に入った時点ですでにウトウトしていたのである。