蛍はみんなの感情を代弁したような声音で、恐る恐る木村くんを呼ぶ。
「えっ…なんか、ごめん」
木村くんのいつも通りの声に、一同ほっと息をついた。
「なっ、なんだー。聞いてなかったんすねー」
「え?」
「きっ、木村くん。何でもないから」
「ぐしゅんっ」
「えっ……」
木村くんが薬を飲んで帰ってきたのに、なぜかくしゃみをする。
まさか___
「すみませ~ん」
水谷ちゃーーーんっ。
「すみません。魔王様が入ってきて慌てちゃって。盛大にやってしまいました~」
「そりゃ、薬も効かないはずだよ」
「あっ!」
呆れていると、木村くんが声を上げた。
「どうした?」
「まずい…」
「えっ?」
木村くんの指さす方に何事かと振り返ってみると、入ってきた木村くんしか見えてなかったけど、黄色いイエロー花粉が色んなところに飛んでいる。
部屋が全体的にイエロー。
こうして、フキフキ隊は発足した。

