そんなこんなで、それが一時間前。
今はなぜか私たちは二人でフキフキし隊を結成し、仲良くフキフキ。
魔王と魔女が何をやってるんだろう。
我に返って蛍は三度目の正直と言わんかぎりの声で、精一杯呼ぶ。
「木村くんーっ!!!」
私の叫びでなのか、タイミングが良かったのか、直したはずの水晶が少しひび割れた。
すると、とうとう諦めたのか、割れそうな水晶が気になったのか、木村くんがこちらを見る。
チャンスっ。
「木村くん、見て。勇者くんがどんどんこっちの味方を倒してるよ」
蛍がそう言うと、しばらく水晶玉を見た木村くんは言った。
「うーん、心配になってきたかも」
「だよねっ!」

