「え? 行きたいんでしょ?」
 
「はい。でも、先輩が心配ですし。」
 
「いやいやいや、ちゃんと大人しくしてるし、楽しんどいでよ。後輩が楽しめるようにするのも仕事だから~」
 

神妙な顔をした誉に、笑って返したのがつい一ヶ月ほど前のことだ。
 


 
そして、現在。
 
誉ははるか遠いところにいる。
 
 
見習い魔女研修会のためだ。
 
二泊三日の予定だ。
 
そんなに長くはないはずだ。
 
 
しかしながら、後輩のいない時間がこんなに辛いとは思わなかった。
 
そして、迷は、そんな辛い時間も二日目を迎えて数時間。
 
 
書庫の管理スペースの机に突っ伏して蛍と連絡を取っていた。
 
水晶玉に映る蛍も、迷と同じように憔悴して見える。