「蛍先輩が白山に“どうにかしてこい”って、多分言ったんだよ」


「なっ!」


「白山さんは冬城の行動パターンなんて分かってただろうしな。寝ないように本読んでそのまますっぽかすって、絶対思ってたぜ」


「魔王様だってそのつもりだったと思う」



「いや、ちょっと待って。なっなんで蛍先輩が?」


はて、はてはて、はーて、
なんででしょうねー?

まあ、一番の理由は、今回の人間の国の訪問のために、木村くんが自転車をわざわざ改造して二人乗りできるようにしてくれたからですかねー?

別に、蛍は木村くんと二人乗りしたかったわけじゃないんです。

そう、木村くんと青春乗りなんてしたかったわけじゃないです。

ましてや?
木村くんに“くっついてみたい!”なんて思ってもいませ___


★以下略★




「まあ、そういうことだ」


一人納得するように早本が真顔でそう言った。



「どういうことー⁉」