そして、王都の城壁を越えた石川。

それをこっそり追跡する迷。


もちろん、マジックカメラの起動を忘れない。

追跡方法は、迷の気分により様々だ。

現在は透明の状態で、低空飛行中。
 


石川は普通に歩いている。

普通に歩いていると、魔物に絡まれる。



最初にかかってきたのは、よく分からない形のよく分からないムニョムニョした何かだった。
 


石川は、一瞬眉をしかめた後、すぐに剣を抜き、なにごとか呟いた。


「炎よ、我が手に集え。そして、かの者に業火の罰を。」


次の瞬間には、目の前にいたよく分からないものたちがあっという間に炎に包まれて消えていた。



「ふう、俺に挑んでくるとは。どうやら身の程を弁えられないやつが多いらしい。」
 


石川は今日も通常運転である。

ちなみに、彼は対魔物戦は初めてである。

内心緊張で破裂しそうである。


しかしながら、絶対にそれを認めないのが石川であった。