「なっ、えっ、ちょっとどこいってたの!みんなー!」


ちょっとホッとしたようなビックリしたような声をあげる木村くん、そして、


「なんだ、そのふざけた格好?」


という石川くんの鋭いご意見と、


「あっ、四人とも無事で良かった。知ってるかも知れないけど、今城内に盗人がいるかもしれないから、気をつけてくれ」


と、そう言ってまた連絡を入れようとする鎌田くん。



その様子に蛍は内心心臓がバクバクしていた。



なっなんで、正体がバレているんだろうか?

いや、魔女四人が変装したんだから、バレるはずがない。


だから、蛍はとぼけて見せた。



「だっ、誰かとお間違えではないですか?わたくしたちとは今日が初対面めーんですよー」



「いやいやいや」

笑う木村くんとあきれ顔に苦笑を滲ませた石川くん。


なぜ。
なぜなんだ。


慌てて口をパクパクしている蛍の代わりに、迷が扇で口元を隠しながら言う。


「自己紹介が遅れました~。わたくしたち、仮面夫婦と申します~」


「………滅茶苦茶仲悪そうだな」


絶妙に突っ込む石川くんである。