男子は男子、女子は女子とテーブルについて、木村くんと石川くんと鎌田くんが楽しそうにご飯を食べてるのはいいんだ。


それを少しだけ遠くから見守るのが、こんなにもおいしい。


けど、ほら。




こんな使用人に頼めば何でもそろう完璧な場所では、上手く仕込みが発動しないではないか!



「あーー、もう!何話してるんだろーね!」

蛍が不満タラタラにそう言うと、

「ねー」

と、素敵な笑顔の迷。



そんな二人を見守る見習い二人は、小さく肩をすくめた。


「あっ!」


突然声を上げた迷とほぼ同時に、蛍が席を立つ。二人の目線はもちろん男子たちのテーブルだ。


「どうしたんですか?先輩?」


「白山さん!」

「はい?」




「石川くんのグラスが空いたんだけどどど!」



蛍はキラキラした目で同意を求めるように白山さんを見るが、





「えっ、口づけてたグラスが欲しいなら、ご自分でどうぞ」