「………そっか」
大翔は目を伏せて、そう呟いたきり何も話さなかった。
別れたあとも、大翔への想いは消えなかった。
でも私は、もう大翔の隣を歩くことはできないから。
せめて、幸せになってほしかった。
「理紗さん……っ」
「!?友加里!その傷は……っ」
2学期が始まってすぐの頃、空き教室で涼んでいると、親友の友加里が傷だらけの顔でフラフラ私のもとへ歩いてきた。
友加里は表情を歪ませて、潤んだ瞳で訴えてきた。
「黒瀬に……っ、黒瀬 妃菜にヤられたんです……っ!」
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