高校生になってからは体育の時間以外はヘッドホンを外さなかった。 “声“から完全に隔離された私は、傷付くことはなくなったけど、 本当に独りぼっちになった。 そんなときだった。 「ひっ!」 バシッ! 私のヘッドホンに触れた手を弾くと、指に絡まったコードが引っ張られて カシャンッ ヘッドホンが、床に転がった。