「日和、妊娠していたんだけど、中絶した。
アイツ、普段から気にいらない事があると、日和に暴力を振るっていたみたい。
妊娠を告げた時も、日和を殺そうとしていたし、そんな人の子どもを育てられる自信がないって泣いてた。
アイツ、少年院にいるから、俺が中絶をする時に必要な書類にサインした」

言いにくそうに、さやかに言った。

「なんで、澄翠がそこまでするの?」

「双子の弟だから」

「どうりで似ていると思った…。
どれくらいで戻って来るの?」

「2年」

「2年!?
短すぎる…」

絶望するさやかを見て、

「結婚するの、止める?」

澄翠は悲しそうに言った。

「止めない。
澄翠が好きだから、兄弟になったって構わない」

力強いさやかの言葉に、改めて、澄翠はさやかが彼女である事を誇りに思った。