…目を覚ますと、さやかは病院のベッドの中にいた。

「さーちん!!
良かったあ…」

澄翠は涙声だった。

さやかが眠っていた間の出来事を、澄翠から聞いた。

さやかが由文に刺されると、日和は由文のアパートを飛び出し、住人に助けを求めた。
由文は、たまたま近くの部屋に住んでいた男性に、取り押さえられ、警察に引き渡された事、さやかは出血がひどく、手術を受けたが、一命は取り留めたものの、刃物が深く突き刺さった為、お腹の傷の跡は残るだろうと医師から説明を受けた事も…。

「え、どんな!?
……痛っ」

傷口が気になり、さやかは起き上がろうとしたが、お腹に激痛が走った。

「俺は傷跡が残っても、気にしない。
前から決めていた事だけど、今すぐは無理でも、将来、結婚したいと思ってる」

澄翠はさやかを抱きしめた。