「あの、聞いて、ヨシ君。
わたし、お腹に赤ちゃんがいるの」

叩かれながらも、妊娠している事を話すと、

「中絶しろ、産むなんて許さねぇからな」

由文は冷たく言い放った。

「そんな、ひどい!」
ヨシ君が避妊しなかったから妊娠したんだよ!?」

日和が泣くと、

「あ~、もう、うぜぇなぁ!!」

由文は突然、部屋を出た。


さやかは澄翠に、由文のアパートの場所を聞いた。

由文が住んでいる部屋に着くと、窓から、由文が台所らしき場所で、包丁を出しているのがわかった。

嫌な予感がして、祈る思いで、玄関のドアノブを回すと、鍵を掛けていないようで、空いた。

中に入ると、

「もうお前、腹の子と一緒に死ねよ」

由文が日和に包丁を向けていた。

「日和、危ない!!」

さやかが日和を庇い、日和の代わりに、さやかが由文にお腹を刺された。
その痛みはどんどん強くなっていき、さやかは気を失った…。