小さなポケット一杯の物語



「………賢司くん!賢司くん!」

遠くの方で私を呼ぶ声が聞こえてきた。

「しっかりしろ賢司くん!」

私はやっとその声をはっきりと聞く事が出来た。

「よかった。気が付いたかい」

目の前には私の知らない男が心配そうな顔をしていた。

「あなたは誰ですか?」

私はまだモウロウとする意識の中で尋ねた。