「そこで車を止めて!」

私は男の言う通りに車を止めた。

「着いたよ!おじさん。あれが茜さんのお父さんだよ。」

死んだと聞かされていた茜の父親は、人の住んでいる気配のない家の縁側で庭に立て掛けてある材木を眺めていた。

「じゃあ行こうか。」

男の呼び掛けで私は車を降りた。
そしてゆっくりと、茜の父親のいる場所へと向かった。