手のひら王子様

椋太朗の言葉を驚いたように受け止めたお父さんは、


「おまえがええならそれでええ」


静かにこう呟いて、小さく優しい笑みを浮かべた。


血の繋がりより深いモノで繋がり合った絆。


目には見えないそれがわたしの涙腺をどうしようもなく熱くさせた。


「それに、血の繋がった家族が欲しなったらちゃんと言うし……桜菜に」


「……へっ? わたし?」


潤んだ目頭を指先で拭い、感動の余韻に浸っていたのも束の間。


さっきまで正面を向いていた椋太朗は何故か隣のわたしの方を向き、


「俺の子どもを産んでくださいって!」


「なっ!!」


キラキラの笑顔でわたしの感動も涙も全部を台なしにしやがった。


ホントに椋太朗は油断も隙もない!


何か言ってやりたいけど唖然とし過ぎて言葉が出なかった。