「椋。……俺は亡くなった皐に負けへんくらい椋を大切に想ってる。ただ、この先おまえが血の繋がりを求める時が来るかもしれへん。そしたら……」
皐さんっていうのは椋太朗のお母さんだ。
梓さんのいれてくれた紅茶に口を付け、わざとらしいほど淡々と言葉を紡いでいくお父さんの前で、
「……アホらし」
「りょ、椋太朗!」
書類を封筒ごと真っ二つに破った椋太朗は、フンッと鼻で笑ってみせる。
思わず声をあげたわたしや目の前でポカンとするお父さんに構わず、椋太朗はそれをごみ箱へと突っ込んでしまう。
「血の繋がりってそんなに大事なん?」
「……いや。そうは言ってないけど」
「俺の母親はあっちとこっちに二人」
そう言って椋太朗は天井と床を指さす。
それからじっと目の前のお父さんへと視線を向けた。
「それに加えて親父まで二人なんて勘弁して欲しいわ。そんな鬱陶しいのアンタ一人で十分や」
こうして尖らせた唇で吐き出した皮肉には精一杯詰め込められた椋太朗の愛情がこもっていた。
皐さんっていうのは椋太朗のお母さんだ。
梓さんのいれてくれた紅茶に口を付け、わざとらしいほど淡々と言葉を紡いでいくお父さんの前で、
「……アホらし」
「りょ、椋太朗!」
書類を封筒ごと真っ二つに破った椋太朗は、フンッと鼻で笑ってみせる。
思わず声をあげたわたしや目の前でポカンとするお父さんに構わず、椋太朗はそれをごみ箱へと突っ込んでしまう。
「血の繋がりってそんなに大事なん?」
「……いや。そうは言ってないけど」
「俺の母親はあっちとこっちに二人」
そう言って椋太朗は天井と床を指さす。
それからじっと目の前のお父さんへと視線を向けた。
「それに加えて親父まで二人なんて勘弁して欲しいわ。そんな鬱陶しいのアンタ一人で十分や」
こうして尖らせた唇で吐き出した皮肉には精一杯詰め込められた椋太朗の愛情がこもっていた。

