「ストップストップストップ!! 冗談や~~!!」


わたしの右手に軽々と持ち上げられ、電子レンジに突っ込まれそうになった椋太朗が大暴れしながら叫んでる。


まったく……洒落にならない奴だわ。



「嫁入り前の体に触るわけないやろっ。俺の嫁に来る大事な体やのに……」



何これ……。



なんでやねーん!!

とかいうツッコミ待ちとか?



めっちゃ楽しそうな顔でこっち見てるけど。


まぁ、いいや。



スルーして朝ご飯食べよ……。



ため息一つを残してわたしは椋太朗を食卓の上に降ろした。





何にも言わないで台所に向かうわたしに、


「桜菜どこ行くん?」



ちょっと焦ったような椋太朗の声。



椋太朗は体だけじゃなくて、中身もちびっこみたい……。



「朝ご飯。お腹空いたでしょ?」



わたしの答えを聞いた椋太朗は、


「んじゃあ、俺待ってるわ」


って、ニコニコしながら手を振ってる。



何が嬉しいのか知らないけど……、大人しくさえしといてくれればいいよ。







なんてわたしの願いも虚しく……、