「当たり前やろ? 俺は桜菜の王子様やからなっ」



なんて嬉しそうに笑う椋太朗につられて、わたしも笑う。



「女の子に迎えに来させる王子様っ?」



わたしの皮肉も笑ってかわしちゃう、アンタみたいなバカで明るいだけの王子様に惚れられる迷惑な女の子は、仕方ないからわたしが引き受けることにするよ。




だから出来るならどうか、こんな王子様に惚れる物好きな女の子はわたしだけでありますように……。







おわり