手のひら王子様

「夏休みに入ったっていうのに、さくちゃんったら全然お家に帰って来ないんだもの……」



どうやら、夏休みになったにも関わらず、実家に一切連絡すら入れないわたしに、



痺れを切らした百合菜が抜き打ちで尋ねて来たらしい……。




迷惑な話だ……。




「明日になったら帰りなよ」


「さくちゃんも一緒に帰ろうね?」



こう言って相変わらずの微笑みを携えていた。




「絶対ヤだ」



特に、アンタに連れて帰られるなんてまっぴらごめんなんだから。