鳥か虫か……。



とにかく、変な鳴き声をあげた頭の上のナニかをゆっくりと空いてた方の手で取り除く。



そして……、



恐る恐る目の前に持ってきて確かめてみる……。



「…………」


「あ……。悪い悪い。ぶつかったな」



わたしの手のひらに、



胡座かいてる男の子……?



わたしに通じる言葉でこう言って、



ヘラヘラ笑ってる……。



何……これ?



「ん? どしたん?」



とりあえず、周りを見回してみるけど……誰もいない。



「おい? 何か探してんのか?」



手のひらから聞こえる声をワザと無視して、今度は空を見上げる。



いつものようにのんびり流れる雲が見えた。



「電池っ」



わたしが思いつく限りで一番現実味のある可能性。



手のひらの彼をひっくり返して、勢いよく服をまくりあげる。



わたしの予想が正しければ、ここにあるはず……。



「俺は電池もゼンマイも付いてへんからな!」



わたしの手の上で強制的にうつ伏せにされた彼がジタバタしながら叫んでる。



……ホントだ。



電池入れも、ネジもないや……。