涙がこぼれ落ちる前に(短編)

「きれいだね。ずっと見れちゃう。」

私がイルミネーションに見とれてると、怜央くんは私の左手を握ってきた。

「え?!」

「手、寒くない?」

と、聞いてきた。怜央くんの表情は暗くてあまり見えないけど、手はすごく暖かかった。

「うん、大丈夫だよ!」

と言うと、

「そっか」
と言って、私の手を離さなかった。