「透子さん、俺、もうすぐ地元帰るからデートしようよ。」

そう言われて、自分は待ち合わせ場所に早めにきた。

ずっと使ってなかったお気に入りのメイク道具を使ってメイクして、服も、鞄も、靴も、新しく買った。

普段と違うから、おかしくないかな。

少し緊張していた。

約束の時間の5分前、びしょ濡れ店長ホストは、やってきた。

「透子さん、可愛い。」

「あ、ありがとう。」

「んじゃ、行こう!」

「どこ行くの?」

「東京タワー!」

「なんで?」

「東京と言えば、東京タワーでしょ。」

その考え方に、少し安心して、少し笑った。