日が完全に落ちた。
一際歓声が上がる。

「今年は晴れたな!」

「やったー!」

「綺麗だね!」


珍しく、今年は星が綺麗に見える。
天の川が織姫と彦星の間にかかっている。


…ああ。会えてよかったね。
羨ましくて、仕方ないよ。


私たちには、天の川なんて確かなものはなかった。

もう、終わりかな。
そう割り切ろうとしたけど。

…終わらせるの?

ほんとは、会いたくて会いたくてたまらないのに。
今ここで諦めたら、なにも残らないよ?


『星に願掛けるくらいなら、自分でなんとかする。』


ねえ、かずくん。
私も、星に願ったりなんかしないよ。


待つだけなんて、もうやめる。