それでも、待ち続けた。
そして迎えた今年。三年の七夕。
もうすぐ日が暮れる。
校庭では点灯式の準備が進み、生徒たちがよりいっそう盛り上がりを見せている。
もしかしたら、とっくのとうに私のことなんて忘れているのかもしれない。
苦し紛れに発した冗談を真に受けたバカな女だと笑われるかもしれない。
それでも…かずくん、ごめん。
諦められないんだ。
なんで七夕を選んだのか。
『星に願掛けるくらいなら、自分でなんとかする。』
『かず先輩らしいですね』
『なあ、付き合って』
『…私で良ければ』
あの日のことをかずくんが覚えてるって信じるくらい、いいでしょ?
でも、今年がラストチャンス。
一年以上待たせる彦星なんて、聞いたことない。

