毎日、うだるような暑さが続く。

僕の通う学校は、今日、終業式を迎えた。

何事もなく、今日を終えるはずだった。


学校を出て家に着き、自分の部屋へ入ると、彼女はいた。

「おかえり、ハヤト」

突然部屋に現れた彼女を、僕は知らない。

「すみません、誰ですか」

「誰でもなーい！」

僕の問いにすら真面目に答えない彼女に、心底腹が立った。

しかし、不思議なことに、僕の「堂崎ハヤト」という名前を知っている。
僕は、警察に連絡をしようかとも考えた。

そこで、彼女は言う。

「はいはい！ケーサツに連絡しても無駄でーす！どうせ、フホーシンニュー、とかで訴えるんでしょ？」

図星だった。

「警察に連絡しても無駄って………どういう意味ですか」

「そのまんまの意味だよ？ケーサツはあたしのこと、わかんないもん！」

さらに意味がわからなくなった。
まぁ、脅されている訳でもないし、危害を加える様子もない。
警察に連絡するのは、保留にしてあげた。