亜弥は男の上に乗っていた
鉄骨を全てどかし終えた。





男の体を見てみると


左腕からは血が出ていて
右足は紫色になり腫れていた。






「あっ、そうだ……


救急車 呼ばなきゃ」



男は亜弥の腕を急いで掴んだ。








「やめろ…」



「何言ってンの


怪我してんのに」



「この位、
冷やせば治る……」





「…デモ………」











「逃げるんなら、


勝手に逃げろ………。」







「えっ……??」




「ここで捕まる訳には


いかないんだよ……」


「逃げる訳ナィぢゃない」



亜弥は男の頬を撫でながら言った。


「私の代わりに


こんなめに………」



男は驚いた。


「お前、逃げないのか?」


「あ ねぇ…

財布何処」



「何で だよ?」

「イイから早く」





「ソファーの横に
置いてある。




お前のカバンもそこだ。」









「わかった。。。



ちょっと待ってて


必ず 戻ってくるカラ」



亜弥は財布を持ち

勢いよく走りだした。