黒のマフラーだから男の子がしてても大丈夫なのに。

帰ろうとすると「南」と呼び止められた。

「?」

「お前、他の男にもあぁやって抱きついてんのか?」

「へ…」

突拍子もない事を突然言い出すから声が裏返ってしまった。

「し、してないよ!! 」

「ならいいけど。……お前、心配だわ」

「何で?」

「何でも」

何で心配なんだろう?

まぁ、いっか。

「……バイバイ。野島君」

「あぁ」

私は教室を後にした。