思考が停止した。

この状況どうすんの……。

私、どうなるの!?

「ご、ごめんなさい!!」

急いで体を離して、遠ざかった。

これじゃ、ただの頭のおかしな奴だよ。

「そんな逃げなくてもいいんじゃねぇの」

野島君は席を立って私に近づいてきた。

「ごめんなさい!!謝るから殴らないで!!」

少しでも身を守ろうと屈みこんで頭を手で覆った。

「……何でそうなる?……女を殴るわけないだろうが」

頭上から心底呆れたようなため息交じりの声が聞こえてきた。

私は顔を上げて野島君を見た。