怖いけど野島君がどう出るか様子を伺う事にした……。

というより、足が動かない。

野島君は私を指差して「貸して」と呟いた。

……え!?

私を貸すの!?

逆らったりしたら殴られるとかないよね??

グダグダ考えているこの時間にも痺れ切らして……。

考えただけでも背筋が凍る。

この状況からは絶対に逃れないんだから、どうにでもなれと思って私は後ろに回って野島君を抱きしめた。

「はい!!」

「え……お前何やってんの?」

「……だって貸してって……言ったから……」

「俺はマフラー貸してって言ったんだよ」

「へ?」