sweet voice

お開きになって、たまたま帰る方向が私と一緒だったから、メンズの1人の内川伸二(うちかわしんじ)さんと駅まで歩いていた。


「藤原さんって、30歳には見えないですね」


「そんなこと言ってますけど、32歳に見えるとかいうオチですか?」


「違いますよ、僕と同じ27歳に見えます」


「どうもありがとうございます」


たしか荒井課長も、自分のことを『僕』って言ってた。


荒井課長のことを思い出すたびに、あの声がよみがえってドキドキしてしまう。


「あの、藤原さん」


内川さんの声で、現実に引き戻された。


「えっ、はい」


「今度は、二人で会ってみませんか」


「えっ、私ですか?」


「もちろん、会った時から藤原さんがいいと思ってたんで」