sweet voice

「これって、ニューヨークに本店がある、すごく高いブランドのだよね?」


「まあ、ね」


「こんな高価なもの、もらえないよ」


「それぐらい、僕は本気だってこと」


「そんな・・・」


「だから、ニューヨークのこと、真剣に考えて」


伸二くんは指輪をケースから出すと、私の薬指にはめた。


キラキラ輝く指輪は、まぶしすぎてつらかった。


「もし・・・断ることになったら?」


「4月からの異動は変わらないから、超遠距離になっちゃうよね。


だから、そうならないように祈ってるけど」


お店に移動してからも、伸二くんが話すのはニューヨークのことが多かった。


たぶんそれは、ニューヨークで暮らす不安を取りのぞこうとしてくれてるんだろうけど。


私には、話が進めば進むほど、断りづらくなるからツラいだけだった。